もるとです。
8/10(火)に行われた孫さんが率いるソフトバンクグループの第一四半期決算説明会のプレゼン動画を見ました。
非常に面白い内容であったため、内容をメモ書きにて書いていきたいと思います。
ちなみに動画はこちらでフル視聴可能です。
●ソフトバンクとはどんな会社か?
・投資家ではなく資本家
・資本家として革命を起こす、発明家とビジョンを共有し資本的リスクを取る
・未来を創ることが目的
●AI革命におけるソフトバンクの資本投下の程
・20社以上のユニコーン企業へ資本投下
・世界の未上場のユニコーンAI企業が調達した資金総額の10%がソフトバンク
・資金供給としては世界一である
・AI革命は100%、必ず大きくなる(広がる)と信じている、確信している
・これから先AIを使う企業は間違いなく広がる
●業績の詳細
・昨年が1,2兆円、今年が7615億円と大幅な減益だが、昨年はスプリント関連の一時益が1,1兆円、今年は2500億円ほど入っていた
・それを加味すると純利益としては昨年1500億円、今年は5000億円となりそれなりの成績である
●ビジョンファンド(以下VF)
・累積で見ると順調
・時価純資産(NAV)は6月末で26,5兆円
・中身はアリババ一本足打法からビジョンファンドが上乗せで徐々に大きくなっている
・VFの87%は上場株
・ソフトバンクが鉛筆をなめて資産評価をしているわけではない
・9,8兆円の時価+2兆円の売却益がある
・売却→再投資のエコシステムができつつある
・VF2は自己資金でのスタート
・31,6兆円-5,1兆円(借入)=26,5兆円(NAV )
・借入比率は16%、平時は25%以下、異常時でも35%を超えない様にする
・ここ数年は借り入れ10%後半台と安全運転である
●どのくらいの株を保有している?
・301社
・全体の3分の2がVF2
・AIを活用している会社に投資するというリスクを取っている
・中国の比率を下げている、直近では11%
・VF全ての累計でも中国は23%
・バランスを取る、分散できている
・セクターは以前Uberなどのライドシェアが多かったが、最近はコンシューマーサービスや物流、不動産や金融など分散ができている
●AI革命の価値
・GAFAを作ったのはGDP比で見ると1%の広告革命と1%の小売(eコマース)のインターネット革命(従来の産業を置き換えた)
・AI革命は残りの98%全てを置き換え革新していく
●投資AI企業の実例
・ヤノージャ(韓国の旅行スーパーアプリ)
・オートストア(ノルウェーのロボット倉庫システム)
・スウィッギー(インドのデリバリープラットフォーム)
●中国のリスク
・ハイテク株は受難の時
・長い目で見れば株価は持ち直すと信じている
・私の信念「AI革命は必ず革新していく」
・リスクを取って投資活動を続けていく
・VF 1の時、経営陣として17%出資する共同出資プログラム計画があったがSBG株価下落に伴い棚上げとなった、VF2が落ち着いている今このプランを実施していく
・この17%は一旦全て自身でリスクを取り、その後他の経営陣に分け与えていく
・経営の文化として残したい
●結論
・世界中のAI企業とビジョンを共有し未来を創りAI革命を実現する
・世界の資本の10%をSBGが出すことで進めていく
・AI革命は始まったばかり、不退転で取り組んでいく
・情報革命で人々を幸せにする
●質疑応答
記:今後のノーススターの活用余地は?
孫さん:当面縮小する。VFへ資金を回す
記:今後のVFの方針(中国への所感)
孫さん:今後も中国の技術革新は続くと思う。規制がどの範囲まで及ぶかもう少し様子を見たい
記:中国の11%と23%はいつごろ?
孫さん:23%は四年間全体、11%は四月以降の数字
記:アリババは今後どうなる?
孫さん:多額の賠償金を支払ったばかりで新しいルールに基づいて事業活動は継続されるだろう、売上は1,3倍が続いており直近も伸びている。いずれ株価も回復してくるはずと個人的に見ている。今日時点で言うとNAVのグラフで言うとVFとアリババが同じくらいになっている。
記:クーパンや中国関係銘柄の株価下落はどう見る?
孫さん:株価は下がったが利益は出ている。ディディなど中国関連は厳しい状況にある。
記:投資のペースが早い、攻めている印象だが戦略は?外部投資家は入れない?
孫さん:AI革命はまだ入り口。なので攻めが続いていく。外部投資家についてはエコシステムが回り始めているので、しばらくはこのまま続けていきたい。
記:自社株買いについて
孫さん:今まで大きな資産の売却時などの際に自社株買いしたが、今回はそういったイベントがないため発表なし。とはいえ株式市場では我々の時価純資産に対して時価総額は50%ほど割安だ。どこかのタイミングで自社株買いは実施するがタイミングは検討中。
記:中国のリスク関連、期待感はまだ継続中か?
孫さん:期待は大いにある。これまでの投資でのトータルでは利益が出ている。ただ、今後の新たな投資はもう少し様子を見極めたい。
記:中国企業の7月以降の投資のNAVへの影響。バイトダンス等のexit戦略や対策について
孫さん:トータルでは十分利益が出ているが新たなものについては我々もよくわからない。様子を見て活発な投資の再開を考えたい。
記:外部資金の調達をするべきタイミングはが来るとしたらその環境は?Weworkでの信用毀損はどの程度回復したと考えるか?
孫さん:具体的な時期や規模はまだ社内での議論はしていない。信用回復については、VF1,2で利益が出ているので信用は回復されとのではないかと思うが、それは外部が判断すべきこと。インターネットも紆余曲折ありながら20年で2000倍になった、AI革命も大きな目で見れば右肩上がり価値が伸びていく、信じる道を一歩ずつ進むという姿勢で望む。
オンライン質疑
記:共同出資プログラムは孫さんの個人資産からとのことだがこれについてもう少し説明を、最終的にはSBGの株主にリスクが行くということはないか?
孫さん:個人資産として保有する3兆5~6千億の、内個人で2千数百億出すのはとりあえずリスク的には耐えられる。
記:VF2について外部からの資金を入れるという発言が最近多かったが今日の会見では自己資金でやっていきたいとのこと。これは共同出資プログラムが関連しているか?もしくは外部からの資金が集まらないなどあるか?
孫さん:恐らくあなたの勘違いで、この一年間で外部資金を入れるという発言はしていない認識。エコシステムが回りだしたので外部資金を必要としていない。一方経営陣がリスクもリターンも捕らないよりは、リスクもリターンも取る方が株主にとってもベターと感じる。
記:投資についてペースが足元で上がっているが、理由は?投資担当を増員するなどリスク管理はできているのか?
孫さん:ユニコーンが増えている。投資チームの経験値も蓄積されてきた、これらでペースが上がっている。またVF1は一件辺りの投資額が大きかったが、VF2はもう少し早めの会社小さめの会社に分散して投資している。一件辺りの金額は減っているがその分分散されている。今のペースで当分頑張りたい。
記:東京オリンピックが閉幕したがどの様な思いがある?
孫さん:アスリートに罪はない、一方感染が爆発しており非常に心を痛めているし心配している。
だいぶ時間をオーバーしましたが、それだけ情熱が溢れている。
これからもがんばっていきます、よろしくお願いします。
ワクワクするプレゼンでした。
また感想を改めて書きたいと思います。
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